「税務」カテゴリーアーカイブ

固定資産税・都市計画税の軽減措置

新型コロナウイルス感染症緊急経済対策の一環として、事業収入が一定額以上減少している中小企業者・小規模事業者に対して、2021年度の事業用家屋及び償却資産に係る固定資産税・都市計画税の軽減措置が講じられています。

具体的には、2021年2月から10月までの任意の連続する3ヵ月間の事業収入の対前年同期比減少率が、50%以上減少した場合は全額、30%以上50%未満の減少の場合は2分の1だけ、2021年度の事業用家屋及び償却資産に係る固定資産税・都市計画税が減免されます。

事業収入とは、一般的な収益事業における売上高と同義であり、給付金や補助金収入、事業外収益などの一時的収入は含みません。

当該軽減措置の対象となる中小企業者・小規模事業者(以下中小企業者等とします)の範囲は下記のとおりです。

1・資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人

2・資本又は出資を有しない法人又は個人は従業員1,000人以下の場合

ただし、大企業の子会社等は対象外となります。

上記1又は2に該当する場合は、医療法人、社会福祉法人、公益法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、宗教法人も当該軽減措置の対象になります。

当該軽減措置の適用を受けようとする中小企業者等は、対象設備の所在する各地方自治体が定める申告書に、認定経営革新等支援機関等の確認を得た必要書類を添えて、2021年1月以降に申告期限(2021年1月末)までに固定資産税を納付する市町村に軽減を申告します。
複数の市町村に固定資産税を納付している場合は、それぞれの市町村に軽減を申告する必要があります。

認定経営革新等支援機関等に確認を受ける事項は下記のとおりです。

1・中小企業者等(個人、法人)であること

・ 個人については、(ア)常時使用する従業員数が1,000人以下であること、(イ)性風俗関連特殊営業を行っていないことを申告書の誓約事項で確認を受けます。

・法人については、(ア)資本金等要件を満たすこと、(イ)大企業の子会社等でないこと、(ウ)性風俗関連特殊営業を行っていないことを申告書の誓約事項で確認を受けます。

2・事業収入の減少

会計帳簿等で、2020年2月~10月までの任意の連続する3月の期間の事業収入の合計が前年同期間と比べて一定額以上減少していることの確認を受けます。

3・特例対象家屋の居住用・事業用割合

青色申告決算書・収支内訳書等で、特例対象家屋の居住用・事業用割合の確認を受けます。

なお、当事務所も谷義孝公認会計士事務所で、経営革新等支援機関の認定を受けています。

消費税の簡易課税制度の適用に関する特例

消費税の簡易課税制度の適用に関しては、現行法において、「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた場合」 の特例が設けられています(消費税法 37 条の2)。「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた場合」には、地震や風水害などの自然災害により被害を受けた場合だけではなく、新型コロナウイルス感染症の影響による被害を受けた場合も該当します。

消費税の納付税額は、課税売上げに係る消費税額から、課税仕入れ等に係る消費税額を控除して計算するのが原則です。しかし、その課税期間の前々年又は前々事業年度の課税売上高が5,000万円以下で、簡易課税制度の適用を受ける旨の届出書を事前に提出している場合は、実際の課税仕入れ等の税額を計算することなく、課税売上高から仕入控除税額の計算を行うことができる簡易課税制度の適用を受けることができます。

簡易課税制度の適用を受けるためには、納税地を所轄する税務署長に、原則として適用しようとする課税期間の開始の日の前日までに(事業を開始した日の属する課税期間である場合には、その課税期間中に)、「消費税簡易課税制度選択届出書」を提出する必要があります。

また、簡易課税制度の適用をとりやめて実額による仕入税額の控除を行う場合には、原則として、適用をやめようとする課税期間の開始の日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択不適用届出書」を提出する必要があります。

しかし、消費税の簡易課税制度の適用に関しては、「災害その他やむを得ない理由が生じたことにより被害を受けた場合」の特例が設けられており、新型コロナウイルス感染症の影響による被害を受けたことにより、簡易課税制度の適用を受ける(又はやめる)必要が生じた場合も、税務署長の承認により、その被害を受けた課税期間から、その適用を受ける(又はやめる)ことができます。

新型コロナウイルス感染症等の影響による被害を受けたことで、

・通常の業務体制の維持が難しく、事務処理能力が低下したため簡易課税へ変更したい

・ 感染拡大防止のために緊急な課税仕入れが生じたため一般課税へ変更したい

などの事情がある事業者は、納税地の所轄税務署長の承認を受けることにより、課税期間開 始後であっても、簡易課税制度を選択する(又は選択をやめる)ことができます。

感染拡大防止のための緊急な課税仕入れとしては、例えば下記のようなものが考えられます。

・ 従業員を分散して勤務させるため、別の事務所を緊急で借り上げた

・ 感染予防のため、パーティションを設置するなどの増設工事を行った

・ 消毒液やマスクなどの衛生用品を大量に購入した

簡易課税制度の適用に関する特例を受けるためには、新型コロナウイルス感染症等の影響による被害がやんだ日から2月以内に「災害等による消費税簡易課税制度選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」と併せて、「消費税簡易課税制度選択(不適用)届出書」を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

被害のやんだ日が、その申請に係る課税期間の末日の翌日(個人事業者の場合は、その末日の翌日から 1 月を経過した日)以後に到来する場合には、その課税期間に係る確定申告書の提出期限までに、上記の書類を納税地の所轄税務署長に提出する必要があります。

なお、この特例の適用を受ける場合、2年間の継続適用要件は適用されません。また、調整対象固定資産や高額特定資産等を取得した場合の「消費税簡易課税制度届出書」の提出制限も適用されません。

 

消費税の課税選択の変更に係る特例

消費税の課税事業者の選択(又は選択不適用)については、原則として、「消費税課税事業者選択届出書」又 は「消費税課税事業者選択不適用届出書」を提出した日の属する課税期間の翌課税期間から効力が発生することとなっていますが、新型コロナウイルス感染症等の影響を受けている事業者で一定の要件を満たす方について、納税地の所轄税務署長の承認を受けることで、特定課税期間以後の課税期間について、課税期間の開始後であっても、課税事業者を選択する(又は選択をやめる)ことができる特例が設けられました。

この特例の適用により課税事業者を選択する(又は選択をやめる)場合、2年間の継続適用要件は適用されません(特例により課税事業者を選択した課税期間の翌課税期間において、課税事業者の選択をやめることも可能です)。

また、課税事業者となった日から2年を経過する日までの間に開始した各課税期間中に調整対象固定資産(一の取引単位につき 100 万円(税抜き)以上の固定資産をいいます)を取得した場合の「消費税課税事業者選択不適用届出書」の提出制限も適用されません。

特例の対象となる事業者は、新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までの間のうち任意の1か月以上の期間(以下調査期間とします)の事業としての収入が、著しく減少(前年同期比概ね50%以上減少)している事業者です。

新型コロナウイルス感染症等の影響による事業としての収入の減少とは、事業としての収入の著しい減少が新型コロナウイルス感染症等の影響に因果関係を有することをいい、例えば、下記のような状況となったため収入が減少した場合をいいます。

⑴ 事業者本人やその親族、会社の従業員が新型コロナウイルス感染症に感染した(又は感染の疑いがあった)ため事業を休業した。

⑵ 国や都道府県等の要請により、イベントや営業を自粛した。

⑶ 国や都道府県等の外出自粛要請により従業員を自宅待機させる等の対応をとったことから、営業規模や営業時間を縮小した。

⑷ 国や都道府県等の外出自粛要請により来客が減少した。

⑸ 入国制限措置により来客が減少した。

⑹ 国や都道府県等の要請により、賃料の支払を猶予した。

特例の対象となるかどうかを判定する際の「収入金額」の計算に当たっては、事業者の事業上の売上その他の経常的な収入の額を含めますが、各種給付金など臨時的な収入は含めません。

また、新型コロナウイルス感染症等の影響により、事業者が収入すべき対価の額を減免又は猶予した場合のその減免額又は猶予額についても「収入金額」に含めません。

例えば、不動産賃貸人が政府の要請に基づき賃借人が支払うべき賃料の支払を猶予していると認められる場合、発生主義に基づき未収入金等を計上する会計処理を行っている時でも、「収入金額」の計算に当たっては、調査期間における賃料収入に計上される額からその猶予額を控除します。

特例の承認を受けようとする場合、「新型コロナ税特法第 10 条第1項(第3項)の規定に基づく課税事業者選択(不適用)届出に係る特例承認申請書」に、新型コロナウイルス感染症等の影響により事業としての収入の著しい減少があったことを確認できる書類(以下「確認書類」とします)を添付して、下記の申請期限までに納税地の所轄税務署長に提出してください。

なお、承認申請書と併せて「消費税課税事業者選択(不適用)届出書」も提出してください。

特例承認申請書に添付する「確認書類」とは、例えば、損益計算書、月次試算表、売上帳、現金出納帳、預金通帳のコピーなどで、令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までの間のうち任意の1か月以上の期間(調査期間)と、その調査期間に対応する期間の事業としての収入の金額が確認できる書類をいいます。

特例承認申請書の申請期限は下記のとおりです。

【課税事業者を選択する場合 】

特定課税期間の末日の翌日から2月以内。個人事業者の12月31日の属する課税期間である場合には3月以内となります。

特定課税期間とは、新型コロナウイルス感染症等の影響により事業としての収入の著しい減少があった期間内の日を含む課税期間をいいます。

【課税事業者の選択をやめる場合】

⑴ 特定課税期間から課税事業者の選択をやめる場合は、特定課税期間に係る確定申告書の提出期限が特例承認申請書等の提出期限となります。

⑵ 特定課税期間の末日が、課税事業者選択届出書の提出により課税事業者となった課税期間の初日以後2年を経過する日(以下「2年経過日」とします)以後に到来する場合で、その特定課税期間の翌課税期間以後の課税期間から課税事業者の選択をやめる場合は、特定課税期間に係る確定申告書の提出期限が特例承認申請書等の提出期限となります。

⑶ 上記⑴、⑵以外の場合は、「2年経過日の属する課税期間の末日」と「課税事業者の選択をやめようとする課税期間の末日」とのいずれか早い日が特例承認申請書等の提出期限となります。

新型コロナウイルス感染症の影響で賃料の減額を行った場合の税務

店舗用物件やテナント等を賃貸する不動産貸付業を行っている事業者が、物件を賃借している事業者から、新型コロナウイルス感染症の影響による経営の悪化を理由に、賃料の減額を求められ、それに応じた場合、その賃料の減額分について税務上の取扱がどうなるかが気になるところだと思います。

事業者が、賃貸借契約を締結している取引先等に対して賃料の減額を行った場合、その賃料を減額したことに合理的な理由がなければ、減額前の賃料の額と減額後の賃料の額との差額については、原則として、相手方に対して寄附金を支出したものとして税務上、取り扱われることになります。

しかし、下記の条件を満たすものであれば、実質的には取引先等との取引条件の変更と考えられ、その減額した分の差額については、寄附金として取り扱わないことが、国税庁の文書で示されています。

(1)取引先等において、新型コロナウイルス感染症に関連して収入が減少し、事業継続が困難となったこと、又は困難となるおそれが明らかであること

(2)その賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであり、そのことが書面などにより確認できること

(3)賃料の減額が、取引先等において被害が生じた後、相当の期間(通常の営業活動を再開するための復旧過程にある期間をいいます)内に行われたものであること

実務上の作業としては、(2)の賃料の減額が、取引先等の復旧支援(営業継続や雇用確保など)を目的としたものであることを、確認できる文書の作成を漏らさずに行うことが、重要になると思われます。

なお、この取扱いは、次の場合も上記と同様に取り扱われます。

・取引先等に対して既に生じた賃料の減免(債権の免除等)を行う場合

・テナント以外の居住用物件や駐車場などの賃貸借契約において賃料の減免(債権の免除等)を行う場合

以上は賃貸側の税務上の取り扱いですが、賃借側(賃料の減免を受けた側)の税務上の取り扱いは下記のようになります。

賃料の減免を受けた賃借人(事業者)においては、減免相当額の受贈益が生じることになります。
ただし、事業年度(個人の場合は年分)を通じて、受贈益を含めた益金の額(収入金額)よりも損金の額(必要経費)が多い場合には、結果的に課税されません。

新型コロナウイルスの感染拡大等に伴う納税猶予の特例

新型コロナウイルス感染症およびその感染拡大の防止のための措置の影響により、多くの事業者等の方々の収入が減少しているという状況に陥っています。そのような状況を踏まえて、令和2年2月1日から令和3年1月 31 日までに納期限が到来する国税(所得税、法⼈税、消費税等)について、「財産の損失」が生じていない場合でも、無担保かつ延滞税なしで1年間納税の猶予を受けられる制度が創設されました(特例猶予)。

以下のいずれも満たす⽅(個⼈・法⼈の別、規模は問わず)が特例猶予の対象となります。

(1)新型コロナウイルス感染症等の影響により、令和2年2⽉以降の任意の期間(1か⽉以上)において、事業等に係る収⼊が前年同期と比較して概ね20%以上減少していること。

(2)⼀時に納税することが困難であること。

(1)における「事業等に係る収⼊」とは、法⼈の収⼊(売上⾼)のほか、個⼈の⽅の経常的な収⼊(事業の売上、給与収⼊、不動産賃料収⼊等)を指します。
個⼈の⽅の「⼀時所得」などについては、通常、新型コロナウイルスの影響により減少するものではないと考えられますので、「事業等に係る収⼊」には含まれません。

また、新型コロナウイルス感染症等の影響による事業等に係る収⼊の減少とは、例えば、納税者又はその親族、従業員等が新型コロナウイルス感染症に感染したことによる影響のほか、イベント開催又は外出等の自粛要請、入国制限、賃料の支払猶予要請等の各種措置による影響等により、収入の減少があった場合が該当します。

(2)における⼀時に納税することが困難かどうかの判断については、少なくとも向こう半年間の事業資⾦を考慮にいれるなど、申請される⽅の置かれた状況に配慮し適切に対応するとされています。

なお、対象期間の損益が⿊字であっても、収⼊減少など上記の要件を満たせば特例猶予を利⽤できます。

特例猶予の申請は、納期限までに提出する必要があります。ただし、関係法令の施行日(令和2年4月 30 日)から2か月を経過する日(令和2年6月 30 日)までは、納期限後においても申請することができます。

そのため、特例猶予の創設前である令和2年2月1日から6月 30 日までに納期限が到来する国税についても、関係法令の施行日から2か月を経過する日(令和2年6月 30 日)までに申請すれば、特例猶予の適用を受けることが可能です。

特例猶予の申請に必要な書類は、納税の猶予申請書(特例猶予用)と下記の書類です。

(1) 本年と昨年の収支状況が記載された元帳や売上帳などの帳簿(会計ソフトから出力した収支状況が記載された書類(試算表等)でも可)。

(2)手元資金の有り高が分かる現金出納帳や預金通帳

なお、納税の猶予申請書(特例猶予用)の具体的な記載方法については、こちら(国税庁ホームページ)をご覧ください。

青色申告特別控除の適用要件の変更

平成30年度の税制改正により、令和2年分の所得税確定申告から65万円の青色申告特別控除の適用要件が変更されています。

令和元年分までは、取引を正規の簿記の原則により記帳して、貸借対照表及び損益計算書を確定申告書に添付し、法定申告期限内に提出すれば、65万円の青色申告特別控除が適用されていました。

令和2年分からは、上記の要件を満たす場合の青色申告特別控除の金額は55万円に引き下げられて、これに加えて、次のいずれかの要件を満たす場合に、65万円の青色申告特別控除の適用を受けることができるように変更されています。

・その年分の事業に係る仕訳帳及び総勘定元帳について、所轄の税務署長の承認を受けて電子帳簿保存を行っていること。

・その年分の所得税の確定申告書及び青色申告決算書を、法定提出期限までにe-Tax(国税電子申告・納税システム)により電子申告すること。

確定申告会場でパソコンにより確定申告書を電子申告していることがありますが、税務署のパソコンでは、青色申告決算書等のデータを e-Tax で送信することはできないため、65 万円の青色申告特別控除を受けられませんので注意が必要です。

なお、簡易な記帳による場合の10万円の青色申告特別控除については、適用要件の変更はありません。

大法人の電子申告の義務化

平成30年度税制改正により、「電子情報処理組織による申告の特例」が創設され、資本金の額が1億円を超える法人など一定の法人が行う法人税等の申告は、令和2年4月1日以後開始する事業年度(課税期間)から電子申告(e-Tax)により提出しなければならないこととされました。

電子申告の義務化の対象となる税目は、次のとおりです 。
(1)法人税及び地方法人税
(2)消費税及び地方消費税
上記の国税以外に、地方税の法人住民税及び法人事業税についても電子申告が義務化されます。

電子申告の義務化の対象となる法人は、次のとおりです。
(1)法人税及び地方法人税の場合
内国法人のうち、
・ 事業年度開始の時において資本金の額又は出資金の額が1 億円を超える法人
・ 相互会社、投資法人及び特定目的会社
(2)消費税及び地方消費税の場合
(1)に掲げる法人に加え、国及び地方公共団体

内国法人には、公共法人(消費税及び地方消費税のみ)・公益法人等・協同組合等を含みます。なお、人格のない社団等及び外国法人は、資本金の額又は出資金の額の有無にかかわらず電子申告の義務化対象法人には含まれません。

電子申告の義務化の適用時期、届出書の提出は、次のとおりです。
電子申告の義務化は、「令和2年4月1日以後開始する事業年度(課税期間)」から適用されることとなります。

適用日(令和2年4月1日)以後、電子申告の義務化の対象となる法人は、納税地の所轄税務署長に対し,適用開始事業年度等を記載した届出書(「e-Taxによる申告の特例に係る届出書」)を提出することが必要とされています。当該届出書については、既に申告書をe-Taxにより提出している場合でも提出する必要がありますのでご注意ください。

当該届出書の提出期限は、令和2年3月31日以前に設立された法人で、令和2年4月1日以後最初に開始する事業年度において義務化対象法人となる場合は、当該事業年度開始の日以後1か月以内となります。

電子申告の義務化の対象となる手続は、次のとおりです。
電子申告の義務化は、確定申告書、中間(予定)申告書、仮決算の中間申告書、修正申告書及び還付申告書の提出が対象です。

電子申告の義務化の対象となる書類は、次のとおりです。
電子申告の義務化の対象となる書類には、申告書だけではなく、法人税法等において申告書に添付すべきこととされている書類とされています。
したがって、法人税における財務諸表、勘定科目内訳明細書又は租税特別措置の適用に必要な書類や消費税の申告書付表などのいわゆる「添付書類」も含まれており、申告書と併せてe-Taxにより提出する必要があります。

電子申告の義務化は、申告方法をe-Taxに限定するもので、書面による申告書の提出は認められず、以下のような取り扱いとなるので注意が必要です。
・電子申告の義務化の対象となる法人が、e-Taxにより法定申告期限までに申告書を提出せず、書面により提出した場合、その申告書は無効なものとして取り扱われることとなり、無申告加算税の対象となります。

・法定申告期限までに書面により申告書を提出した後、法定申告期限後にe-Taxにより提出した場合でも同様です。

・2期連続で法定申告期限内にe-Taxによる申告がない場合は、青色申告の承認の取消対象となります。

なお、電子申告の義務化は、申告方法をe-Taxに限定するものであり、送信者までを限定するものではありません。したがって、電子申告の義務化対象法人であっても、税理士がe-Taxにより代理送信することは可能です。ただし、税理士に税務書類の作成を委嘱せずに、電子申告の代理送信のみを委嘱することは認められませんのでご注意ください。

特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

2019年12月31日までに住宅ローンのある居住用財産(マイホーム)を売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、一定の要件を満たすものに限り、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。損益通算の限度額は、マイホームの売買契約日の前日における住宅ローンの残高から、譲渡資産の売却価額を差し引いた残りの金額となります。
さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。
上記の特例(特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)は、新たなマイホーム(買換資産)を取得しない場合であっても適用することができます。

この特例を受けるための適用要件は、下記のとおりです。

(1)現に自分が住んでいる家屋を売却すること。
または、家屋とともにその敷地や借地権を売却すること。

過去に住んでいた家屋や敷地等を売却した場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。

住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。

・取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであること。

・その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。

・家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(2)譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超えるマイホームで、日本国内にあるものの譲渡であること。

(3)譲渡したマイホームの売買契約日の前日において、そのマイホームに係る償還期間10年以上の住宅ローンの残高があること。

(4)マイホームの譲渡価額が上記(3)の住宅ローンの残高を下回っていること。

なお、以下の場合に該当するときは、特例の適用はできません。

(1)繰越控除が適用できない場合

・合計所得金額が3,000万円を超える場合
合計所得金額が3,000万円を超える年がある場合、その年分については繰越控除が適用できません。

(2)損益通算及び繰越控除の両方が適用できない場合

・売却したマイホームの売主と買主が、親子や夫婦など特別の関係にある場合
特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係にある法人なども含まれます。

・マイホームを売却した年の前年及び前々年に下記の特例を適用している場合

(イ) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例

(ロ) 居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除

(ハ) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例

(ニ) 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例

・マイホームを売却した年、またはその年の前年以前3年内における資産の譲渡について、マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算の特例の適用を受ける場合、または受けている場合

・マイホームを売却の年の前年以前3年内の年において生じた、他のマイホームの譲渡損失の金額について、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算の特例を受けている場合

なお、特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例と住宅借入金等特別控除制度は併用できます。

マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

居住用財産(以下マイホームとする)を2019年12月31日までに売却して、新たにマイホームを購入した場合で、旧マイホームの譲渡損失があるときは、一定の要件を満たすことを条件に、当該譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得と損益通算することができます。また、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除することができます。これらの特例を、マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例といいます。

この特例を受けるための適用要件は、下記のとおりです。

(1)現に自分が住んでいる家屋を売却すること。または、家屋とともにその敷地や借地権を売却すること。

過去に住んでいた家屋や敷地等を売却した場合は、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。

住んでいた家屋または住まなくなった家屋を取り壊した場合は、次の3つの要件全てに当てはまることが必要です。

・取り壊された家屋及びその敷地は、家屋が取り壊された日の属する年の1月1日において所有期間が5年を超えるものであること。

・その敷地の譲渡契約が、家屋を取り壊した日から1年以内に締結され、かつ、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること。

・家屋を取り壊してから譲渡契約を締結した日まで、その敷地を貸駐車場などその他の用に供していないこと。

(2)譲渡の年の1月1日における所有期間が5年を超える資産で、日本国内にあるものの譲渡であること。

(3)譲渡の年の前年の1月1日から売却の年の翌年12月31日までの3年間に、日本国内にある資産で、家屋の居住用部分の床面積が50平方メートル以上であるものを取得すること。

(4)買換資産を取得した年の翌年12月31日までの間に、居住の用に供すること。または供する見込みであること。

(5)買換資産を取得した年の12月31日(繰越控除の適用を受ける場合は、その控除する年の12月31日)において、買換資産の取得に係る償還期間10年以上の一定の者からの住宅借入金等の残高を有すること。

なお、以下の場合に該当するときは、特例の適用はできません。

(1)繰越控除が適用できない場合

・売却したマイホームの敷地の面積が500平方メートルを超える場合
 売却したマイホームの敷地の面積が500平方メートルを超える場合は、500平方メートルを超える部分に対応する譲渡損失の金額については、繰越控除が適用できません。

・繰越控除を適用する年の12月31日において、買換えしたマイホームに係る償還期間10年以上の住宅借入金の残高がない場合

・合計所得金額が3,000万円を超える場合
 合計所得金額が3,000万円を超える年がある場合、その年分については繰越控除が適用できません。

(2)損益通算及び繰越控除の両方が適用できない場合

・売却したマイホームの売主と買主が、親子や夫婦など特別の関係にある場合
 特別の関係には、このほか生計を一にする親族、家屋を売った後その売った家屋で同居する親族、内縁関係にある人、特殊な関係にある法人なども含まれます。

・マイホームを売却した年の前年及び前々年に下記の特例を適用している場合

(イ) 居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の軽減税率の特例

(ロ) 居住用財産の譲渡所得の3,000万円の特別控除

(ハ) 特定の居住用財産の買換えの場合の長期譲渡所得の課税の特例

(ニ) 特定の居住用財産を交換した場合の長期譲渡所得の課税の特例

・マイホームを売却した年、またはその年の前年以前3年内における資産の譲渡について、特定居住用財産の譲渡損失の損益通算の特例の適用を受ける場合、または受けている場合

・売却の年の前年以前3年内の年において生じた、他のマイホームの譲渡損失の金額について、マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算の特例を受けている場合

なお、マイホームを買換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例と住宅借入金等特別控除制度は併用できます。

特定の居住用財産の買換えの特例2

特定の居住用財産(以下マイホームとします)を、2019年12月31日までに売却して、代わりのマイホームに買い換えたときは、一定の要件のもと、譲渡益に対する課税を将来に繰り延べることができる特例(「特定の居住用財産の買換えの特例」)について、前回の投稿で記載しました。今回はこの特例を受ける場合で、マイホームを売却した金額より、買い換えた金額の方が少ないときの譲渡所得の計算について、記載したいと思います。

マイホームの買換えの特例を受ける場合の譲渡所得の計算は、下記のとおりとなります。

1・売却した金額 ≦ 買い換えた金額の時
所得税の課税が将来に繰り延べられ、売却をした年については譲渡所得がなかったものとされます。

2・売却した金額 > 買い換えた金額
その差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行います(下記参照)。
(1) 収入金額の計算 売却した金額-買い換えた金額
(2) 必要経費の計算 
(売却したマイホームの取得費+譲渡費用)×((1)÷売却した金額)
(3) 譲渡所得の計算  (1)-(2)

例えば、売却したマイホームの金額が5,000万円、買い換えたマイホームの金額が4,000万円、売却したマイホームの取得費が2,000万円、 売却のためにかかった費用が300万円の場合ですと次のような計算になります。

(1)収入金額の計算 売却した金額-買い換えた金額 
=5,000万円-4,000万円=1,000万円

(2)必要経費の計算 (売却したマイホームの取得費+譲渡費用)×((1)÷売却した金額)
=(2,000万円+300万円)×(1,000万円÷5,000万円)=460万円

(3)譲渡所得の計算 (1)-(2)=1,000万円-460万円=540万円

税率については、マイホームの買換えの特例の適用要件より、長期譲渡所得の税率が適用されます。

具体的には、所得税15.315%(復興特別所得税を含む)、住民税5%の税率となります。

なお、マイホームの買換えの特例を受けるための適用要件の詳細については、こちらのページをご確認ください。