労働者派遣事業等の新規許可・有効期間の更新

制度の概要

平成23年10月より、法人の場合の般労働者派遣事業と職業紹介事業の新規許可と有効期間許可の更新における資産要件の審査方法が変更になりました。
また、平成27年9月に従来の特定労働者派遣事業(届出制)及び一般労働者派遣事業(許可制)の区別が廃止され、全ての労働者派遣事業が許可制とされました。

上記の内容を少し詳しく説明させていただきたいと思います。平成23年10月の改正前は、決算年度末において資産要件を満たさない場合、基準資産額が増加する旨の申し立てが認められていました。改正後は、決算年度末において資産要件を満たさない場合、公認会計士または監査法人による監査証明を受けた中間または月次決算書を提出すれば、その決算書により、資産と負債の状況を改めて審査することになりました。
ただし、有効期間の更新に限り、当面の間、監査証明のほか公認会計士または監査法人による「合意された手続実施結果報告書」による取扱いもできることとされています。

平成27年9月には、従来の特定労働者派遣事業(届出制)及び一般労働者派遣事業(許可制)の区別が廃止され、全ての労働者派遣事業が許可制とされました。これを受け「労働者派遣事業関係業務取扱要領」にて規定されている、労働者派遣事業の新規許可及び許可の有効期間の更新に係る申請が許可される条件について、小規模派遣元事業主を対象に資産要件が緩和されることとなりました。

資産要件について

労働者派遣事業及び職業紹介事業の許可・有効期間の更新において以下の資産要件を満たす必要があります。

労働者派遣事業
・資産(繰延資産及び営業権を除く)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」とします)が2,000万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること。
・ 上記の基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。
・ 事業資金として自己名義の現金・預金の額が1,500万円に当該事業主が労働者派遣事業を行う(ことを予定する)事業所の数を乗じた額以上であること。

小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置として、平成27年9月30日以降より資産要件が以下のように緩和されています。

①1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が10人以下である中小企業事業主(当分の間)
・ 基準資産額  1,000万円以上
・ 上記の基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。
・ 現金・預金の額 800万円以上

②1つの事業所のみを有し、常時雇用している派遣労働者が5人以下である中小企業事業主(施行日以後3年間)
・ 基準資産額   500万円以上
・ 上記の基準資産額が、負債の総額の7分の1以上であること。
・ 現金・預金の額 400万円以上

追記
「労働者派遣事業関係業務取扱要領」が改正され、平成28年9月30日以降、上記の小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置(資産要件の緩和)については、(旧)特定労働者派遣事業を行っている事業者に限定して適用されることになっています。
新規に労働者派遣事業を行おうとする事業主は、小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置(資産要件の緩和)の対象外となりますのでご注意ください。
詳細につきましては、こちらのページをご参照ください。

職業紹介事業
・基準資産額500万円更新時350万円)に申請者が職業紹介事業を行おうとする事業所の数を乗じて得た額以上である。
・事業資金として自己名義の現金・預金の額が、150万円に申請者が職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた数に60万円を乗じた額を加えて得た額以上となる。(新規許可時)

「監査証明」と「合意された手続実施結果報告書」について

会計年度末の決算書において上記の資産要件を満たしていない場合でも、中間または月次決算書の作成時点において要件を満たしていれば、当事務所で労働者派遣事業等の有効期間の更新のための「合意された手続実施結果報告書」の発行業務をお引き受けいたしています。また、期中において、新規許可の申請をされる場合は「監査証明」の発行業務をお引き受けいたしています。

なお「監査証明」の発行業務と「合意された手続実施結果報告書」の発行業務には、以下のような違いがあります。
「監査証明」の発行業務は、一般に公正妥当と認められた監査基準に準拠した監査手続を実施することにより、財務諸表全体の適正性についての意見を表明するものです。それに対して「合意された手続実施結果報告書」の発行業務は、依頼者との間で事前に合意した手続を実施してその結果を報告するもので、財務諸表全体についての意見を表明するものではありません。

一般的に「監査証明」の発行業務の方が、多くの監査手続等が必要となり、また責任の範囲が広くなるため、「合意された手続実施結果報告書」の発行業務よりも、依頼主様にご負担いただく費用も高くなります。ただし、上記に記載してますとおり、有効期間の更新に限り、当面の間は公認会計士等による「合意された手続実施結果報告書」による取扱いも可能とされているため、当事務所におきましては、監査証明より、依頼主様の費用負担の少ない「合意された手続実施結果報告書」で対応させていただいています。

当事務所の料金

「合意された手続実施結果報告書」(有効期間の更新の場合)
150,000円(税抜)~

「監査証明」(主に新規許可の場合)

小規模派遣元事業主への暫定的な配慮措置の適用がある場合100,000円(税抜)~

上記以外の場合 200,000円(税抜)~

なお、上記の料金は目安であり、お客様の規模・業態、合意された手続(監査手続き)の内容などにより料金は変動いたします。

サービスの流れ

労働者派遣事業・職業紹介事業の新規許可時における「監査証明」、有効期間の更新における「合意された手続実施結果報告書」の作成は以下のような流れとなります。

1・お問い合わせ
本サイトの問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡下さい。
電話 06-6310—7135(平日10時~17時)

2・ヒアリング
お客様の会社の概況についてヒアリングさせていただきます。

3・資料の送付
以下の資料を電子メール、郵送、FAX等により、当事務所へご送付いただきます。
・直近の決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳書)
・現時点の試算表または決算書(貸借対照表、損益計算書、株主資本等変動計算書、勘定科目内訳書)

4・お見積り・ご依頼
当事務所よりお見積りのご連絡をいたし、お客様が納得された後で正式にご依頼をいただきます。

5・資料の準備
報告書の作成に必要な資料(銀行残高証明書、税務申告書、総勘定元帳等)の準備をご依頼いたします。

6・訪問日の決定
資料の準備ができましたら、会社訪問の日程を決めさせていただきます。遠方のお客様など会社訪問が難しい場合は、報告書の作成に必要な資料を当事務所へ送付いただくことにより対応することも可能です。

7・サービスの実施
「監査証明」の発行のための手続きまたは「合意された手続実施結果報告書」の発行のための手続きを実施いたします。手続終了後に「監査証明」または「合意された手続実施結果報告書」をお渡しいたします。

上記のサービスの流れは、資料の準備、日程の調整等が順調にいきましたら、2週間程度で完了しますが、日程に余裕をもってお早めにご相談いただきますようお願いいたします。