法人名・所在地の変更登記をした法人等の法人番号について

株式会社などの設立登記法人が、法人名・所在地の変更登記を行った場合、法人番号の関係で何か手続が必要かどうか疑問に思う方もいらっしゃると思います。
結論的には、法務省から国税庁へ情報が自動的に連絡される仕組みになっているので、法人番号の関係では国税局・税務署に書類を提出する必要はありません。

ただし、税務署へ提出する異動届出書等は、従来どおり提出する必要がありますので、注意が必要です。

なお、法人名・所在地に変更があっても一度付番された法人番号は変更されることはありません。また、国税庁より法人名・所在地が変更になったことの通知は行われません。

法務局で手続をした自社の変更情報が反映されているかは、一定期間経過後、「国税庁法人番号公表サイト」で確認することができます。

それに対して「法人番号の指定を受けるための届出書兼法人番号等の公表同意書」を提出し、法人番号の指定を受けた設立登記のない法人又は人格のない社団等の場合は、団体の名称や所在地に変更があった場合、「法人番号の指定を受けるための届出書に関する変更の届出書」を国税庁法人番号管理室へ提出する必要があります。当該届出書に基づき、公表情報は更新され、変更履歴も併せて公表されます。

なお、団体名・所在地に変更があっても一度付番された法人番号は変更されることはありません。また、国税庁より団体名・所在地が変更になったことの通知は行われません。

「中小企業の会計に関する指針」の改正

平成28年1月26日に「中小企業の会計に関する指針」の改正が行われました。今回は、重要性の原則、固定資産の減損損失、税効果会計、誤謬の訂正に関する注記についての改正が行われていますが、いずれも「中小企業の会計に関する指針」における従来の取り扱いについて明確化を図ったもので、従来の取り扱いを変更することを意図したものではありません。各項目の改正の趣旨は次のとおりです。

(重要性の原則)
第9項(2)において「重要性の原則は、本指針のすべての項目に適用される」という文章が追加されています。これは重要性の原則が「中小企業の会計に関する指針」の全ての項目に適用され、各論に特段の記載がない場合でも、重要性の乏しい項目に関しては簡便な会計処理の方法によることができることを明確にすることを意図したものです。

(固定資産の減損損失)
第36 項において、固定資産の減損を行わなければならない場合について、従来は「予測することができない減損が生じたとき」となっていましたが、会社計算規則第5条第3項第2号の記載に合わせて、「予測することができない減損が生じたとき又は減損損失を認識すべきとき」として明確化したものです。なお、「中小企業の会計に関する指針」では、第36 項第2段落以降で減損損失を認識すべき場合を例示していますが、今回の改正により、固定資産の減損に係る会計基準が適用される場合を限定している従来の取扱いについての変更はありません。

(税効果会計)
第61 項(5)において、一時差異に重要性がない場合の取扱いについて、従来は「一時差異の金額に重要性がない場合には税効果会計を適用しないことができる」としていましたが、「要点」の記載と整合性を図るため、「一時差異に重要性がない場合には繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しないことができる」と表現を変更したものであり、取り扱いについては従来からの変更はありません。

(誤謬の訂正に関する注記)
第82 項において、「中小企業の会計に関する指針」を適用している会社が、企業会計基準第24 号「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」に基づく会計処理を行わない場合には、個別注記表における誤謬の訂正に関する注記は必要ないことを明確化したものです。

なお、資産除去債務会計基準については、改正後も「今後の検討事項」として「本指針における資産除去債務の取扱いについては、今後の我が国における企業会計慣行の成熟を踏まえつつ、引き続き検討することとする。」とされており、従来と同様の取り扱いとなっています。