社会福祉法人の会計監査人監査(設置基準の引き下げ延期)

厚生労働省より、「社会福祉法人における会計監査人に係る調査と平成31年4月の引下げ延期について(周知)」(事務連絡 平成30年11月2日)が出されています。平成29年4月1日以降に開始される会計年度から一定規模(収益30億円を超える法人又は負債60億円)を超える社会福祉法人に公認会計士監査が導入され、会計監査人の監査が開始されています。平成31年度からは、収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人へ対象範囲を段階的に引下げる予定でしたが、会計監査導入の為の準備期間等を考慮し、平成30年4月から、会計監査人の設置基準を引き下げることは行わないこととされました。

「社会福祉法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令の整備等及び経過措置に関する政令等の公布について(通知)」(社援発1111第2号、平成28年11月11日)では、法定監査の導入の対象範囲を段階的に引下げる予定とし、次の基準が示されていました。

・平成29年度、平成30年度は、収益30億円を超える法人又は負債60億円を超える法人

・平成31年度、平成32年度は、収益20億円を超える法人又は負債40億円を超える法人

・平成33年度以降は、収益10億円を超える法人又は負債20億円を超える法人

ただし、段階施行の具体的な時期及び基準については、平成29年度以降の会計監査の実施状況等を踏まえ、必要に応じて見直しを検討するとされていました。

このような経緯を踏まえて、厚生労働省では、「社会福祉法人における会計監査人に係る調査と平成31年4月の引下げ延期について(周知)」(事務連絡 平成30年11月2日)において、今後の会計監査人の設置を円滑に進めていくために、会計監査実施による効果や課題等について調査を実施する旨を公表するとともに、法人の会計監査導入の為の準備期間等を考慮して、平成30年4月から会計監査人の設置基準を引下げないことを表明しました。

合わせて現時点で設置対象となっていない法人で、(1)自発的に会計監査人を設置されている法人については、平成31 年度以降の継続実施の依頼、(2)会計監査人の設置に向けて取組を進め、円滑な導入が可能と見込まれる法人については、積極的に会計監査人を設置することの依頼も表明されています。

なお、今後の会計監査人の設置を円滑に進めていくための、会計監査実施による効果や課題等についての調査は、(1)平成29 年度の会計監査を実施した全ての社会福祉法人(約400 法人)を対象とした調査、(2)収益10 億円を超える法人又は負債20 億円を超える法人(約1,700 法人)を対象とした調査の二段階で実施することになっています。